ケリー・ブルー/ウィントン・ケリー 1959年
個人的にはアコースティックピアノに対する感受性が乏しいと自覚しているので、ジャンルを問わず、アコースティックピアニストのタッチやフレーズで聴いた瞬間に一発で誰かわかる人は少ないです。
ポップスならボブ・ジェームス。この人は音使いにクセがあってジャズでもポップでも一曲聴けばわかる感じ。
クラシックならホロヴィッツ。これは音色でわかるかも。タッチではモニク・アース。やはり一曲聴けばわかる感じ。
ジャズになるとほとんど聴き分けできませんが、そんな自分でもウィントン・ケリーだけはわかる気がする。
本作はマイルスの「カインド・オブ・ブルー」と完全な同時期の作品。「カインド・オブ・ブルー」のレコーディングの合間に「ケリー・ブルー」も吹き込まれてます。
「カインド・オブ・ブルー」ではビル・エヴァンスへの引継ぎという感じでしょうか。
ウィントンはやはりウィントンの世界へ。洒脱でもなく瀟洒でもなく、かといって真っ黒ファンキーでもない。ヒップホップで言うところのオールドスクールとニュースクールが混然一体となったようなジャズピアノの仇花。
奇しくも「カインド・オブ・ブルー」でマイルスの提唱したモードジャズのふるいにかけられ、勝手にオールドスクールに分類されてしまった感があるが、普通の人が「ジャズ」という言葉を聞いて思い浮かべるサウンドは「ケリー・ブルー」なのかもしれない。
オールドスクールの名盤。

