アラニス・モリセット/ジャグド・リトル・ピル 1995年
1990年代を代表する一枚。’90sのアルバムで必ずベスト5に入ると思う。
マドンナが主催するマーヴェリック・レコードが放った最初のヒット。マーヴェリック・レコードはのちにミッシェル・ブランチやミッシェル・ンデゲオチェロなど優れたミュージシャンを発掘したが、このアルバムの売り上げが原資になっていると思う。
レッチリのフリーをはじめ、他のミュージシャンのバックを務めることが稀だったプレーヤーが多数参加。当時のレーベルの勢いが感じられる。
グランジ全盛期のため、サウンドメイクはサイケの影響があるし、デジタルレコーディングの過渡期であるが故に、今聴くとなんとも言えない、チープではないがリッチでもなく、密度が薄いわけでも濃いわけでもない独特なサウンド。しかし、逆にそれが強烈に時代を感じさせる仕上がりとなっている。
カヴァーをする後進のミュージシャンが後を絶たず、カナダ出身のミュージシャンの中でアメリカでの影響力が最も絶大だった女声ヴォーカルかもしれない。
このアルバムが流行してた頃の自分はまだ人生の方向性が定まっておらず、人間的にも不安定で余裕がなかった。
ちょうどフリーランスになったばかりの頃で、阪神淡路大震災が起きオウム真理教による地下鉄サリン事件が世間を騒がせていた。
そんな世相をモロに浴び、記憶に残っているのは不安な感情の澱ばかりだった。
そんなセンチメントを思い起こさせる。
次作以降は歌い方に変化があり、強烈な個性が薄まった気がするので聴いていないのですが、何かのはずみでグランジっぽい音楽を聴いた時は、あらためてこのアルバムに針を落とすことが多いです。
その度に、自分の黒歴史を思い出してちょっとだけブルーな気持ちが湧き上がる微妙なアルバム。

