2021.09.21 Rickie Lee Jones/Pop Pop

音楽

 リッキー・リー・ジョーンズ/ポップ・ポップ 1991年

 洋の東西を問わず全ての評論家に評判の悪いミュージシャンの筆頭がリッキー・リー・ジョーンズだと思う。
 音楽誌からは酷評され、オーディオ雑誌においては試聴に選ぶ奴はバカ扱い。売春婦的とか煽情的に過ぎるとか、どういうわけかわからないが、とにかく酷い。

 個人的には、ファーストアルバムからたぶんほぼすべての作品を持っている。
 参加ミュージシャンはみなスタジオの一流。ファーストアルバムの一曲目のスティーヴ・ガッドのドラミングはポップの域を超えているし、跳ねまくるチャック・レイニーのベースは当時のスティーリー・ダンのアルバムより生き生きしてると思う。

 そんなリッキー・リー・ジョーンズの6枚目のアルバムは、武骨なチャーリー・ヘイデンのウッドベースとロベン・フォードの華麗なるアコギにジョー・ヘンダーソンのド渋テナーを核にした全曲ドラムレスアレンジ。
 内容はリッキーの個人的なルーツとなる曲のカヴァー集となっているが、アレンジと参加ミュージシャンの技量のおかげでまったく別次元の作品集になっている。

 また、シンプルな楽器と構成により、時代的には珍しく超優秀録音盤として語り継がれている要素が強い。

 キース・ジャレットのアメリカンカルテットとはぜんぜん違う音色に感じるチャーリー・ヘイデン先生のベースの音に痺れる。
 JBL4333AWXもどきの38cmウーファーから聴こえるそれはヘイデン先生が目の前にいるかのよう。
 ロベン・フォードのアコギもジョーヘンのテナーも、彼らのベストテイク録音ではないかと思うくらいの高音質。
 そしてやはり、リッキーの声がいつもよりクローズアップされ鮮明に聴こえる。

 確かに独特ではある。
 アーティキュレーション、イントネーション、アクセント、どれをとってもワンエンドオンリーの権化。リッキーに影響を受けて要素を取り入れようとして失敗し自滅したヴォーカリストを何人も見た。

 しかし、自分が聴いてるぶんには「それな!」という感覚。
 たぶん、ミュージシャン好きする声なんだと思う。こういうヴォーカルと演奏するのはホントに楽しいのよ。それはミュージシャンなら皆持ち合わせている感覚だと思う。
 なぜそうなのかは説明できないが。
 だから単純に、この感覚は評論家には絶対わからないだろうぁとは思うので、長いことリッキーのレビューは読んでない。
 そもそも信頼できるレヴュワーも減ってる気がする。寄る年波には逆らわない。

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