2020.11.26 USACG Fretless 2016

楽器

 アメリカのビルダーさんにこだわりの材を注文してくれるTCTGPのKatsumiさんにお願いして、2016年にネックとボディを取り寄せて作ったフルオーダーのフレットレス。
 松下工房さんに組み込みをお願いして2016年12月30日に完成。

Body Wood : 1pc Alder
      ** TCTGP
Neck Wood : 1/4 Sawn Maple
Fretboard : Indian Rosewood
Back Profile Custom Thickness : .800-.870
Graphite Rod : Graphite Reinforcement Rod
7 1/4-9 1/2 compound radius
      ** USACG
Pick Up: Weather Report
      ** Seymour Duncan

 黒歴史というわけではないですが、10年以上前に国産のオーダーメイドを一本作りました。
 タバコバーストの1ピースアッシュボディ&エボニー指板。ピックアップはリンディ・フレーリン。たいして弾かないうちに3.11の地震があって、スタンドから倒れた時にネックの真裏5フレットあたりがテーブルの角にガンッと当たったらしく、見事にえぐれた深い傷がザックリ出来ました。
 斑尾ジャズフェスティバルで活躍してくれた想い出の一本だったので、一瞬、ネックのリプレイスを考えました。まあ、音には影響なかったんだけど、弾いてて可哀そうなくらい、左手の親指が一番よく触れる部分がザックリいっちゃってるので気になって気になって。

 その後、やはりもう一本オーダーで作ろうと決心。
 1964年のジャズべの完コピモデルを作ろうと思って国産メーカーにオーダーしたのですが、当時も今も、もうベースのボディの大きさで1ピースのアルダーは木取りが出来ないらしく、オーダーを受け付けてもらえず。結果、アッシュ&エボニーになりました。それならばリアピックアップを’70の位置にすればよかったと後から後悔したものです。
 エボニーの指板も、見た目は真っ黒でカッコいいんですが、どうもニュアンスが出せなくて音がイマイチ。ピックアップとの相性が悪いのかもしれない。ウッドベースとは違ってエレキにはエレキに合った材のほうがいいのかも。

 そんなわけで、warmothでもどこでも1ピースアルダーでオーダー出来そうなとこを世界中で探してるうちにTCTGPに辿り着き、わがまま言って1ピースアルダーのジャズべボディを作ってくれるとこを探してもらいました。リアのルーティングも容積少なめのリアトップレフティ仕様のわがままオーダーを受けてくれるところを探しまわってもらってやっと見つかった感じでした。
 ネックはUSACG。クォーターソーンメイプルで厚みも指板のラディウスもフルオーダー。グラファイトロッドでヘッドロゴも彫り入れ。ローズウッドのライン入りフレットレスでエポキシ加工なし。
 ネックとボディの塗装はMJTというところにお願いして、オールドフェンダーと同じラッカー塗装でチェリーバーストでオーダー。赤味、黄色味、グラデーションの具合もサンプル通り。このMJTはレリック加工もしてくれるので、色味を確認してからトップコートしてもらって、レリック具合もほぼサンプル通り。ライト~ミディアムの軽いレリックをお願いしました。ネック裏の塗装の剥げ方までオーダー出来ました。

 ピックアップは、その昔、セイモア本人がジャコのために手巻きしたものと同じというウワサのあるセイモアダンカンのウェザーリポートモデル。完全受注生産のためアメリカのセイモアダンカン本社にメールで直接オーダー。ピックアップが入ってた箱には私の名前が入ってました(笑)。

 あとは一通り、ヴィンテージ純正パーツ。ポットはCTS、コンデンサーはアメリカebayで買った1950年代製のAJAXの0.022μ100Vのペーパーワックスモールド。松下工房のノイズレス加工。
 こだわれるとこはこだわって、オーダーできるとこはすべてオーダーして、大満足!!

 2016年の年末は、仕事納めの翌日に原宿に完成したベースを取りに行き、帰宅後から正月休みの間ずっと弾いてました。こんなにちゃんとしたフレットレスベースを弾いたのは初めて。
 弾き込んで弾き込んで、最近どんどん鳴るようになってきた。左手のピッチもだいぶ正確になったし。エポキシ加工なしで大丈夫か心配でしたがロトサウンドのステンレス弦でも指版はあんまり削れてない感じ。
 もう少し目が詰まったら予備のエポキシ加工ネックを作ってみようかなと思います。

 20代後半、一時期、フェルナンデスのフレットレスをスタジオでもライヴでも使ってました。不安定なピッチでバンドのメンバーに迷惑をかけながら(笑)。その後、ヴィンテージを手に入れてからはお蔵入り→廃棄。
 その後、ダンカンのジャズべにエポキシ加工指板で回路をアクティブにした録音用のフレットレスを一瞬使っていましたが、どうにも音が良くなくて一曲だけでお蔵入り→ネットオークション。
 それらと比較して、出音の感覚が一発で違うとわかりました。ヴィンテージほどではないにしろ、やはり反応スピードが速い。一発目で「そうそう、これ、これ。フレットレスはこうでなくちゃ」という感じ。
 慣れとは恐ろしいもので、最初は悪戦苦闘していたのに足元チューナーやクリップチューナーを付けっぱなしにして、いつもチューニングメーターでピッチを確認しながら弾くクセがついたころから、だいぶ聴ける感じに弾けるようになったと思います。
 そうなってくるとやはりフレットレスのほうが表現力豊かですね。自分の感情や意思がストレートに出せる。今は左手のビブラートだけでなく右手のピッキングで出すニュアンスの研究中。
 フレッテッドと同じフィールが出にくいのですが、それはピッチを一発でキメるノンビブのほうがテクニック的に難しいからだと思います。もうちょっと精進せねば。

 プラシーボ効果かもしれませんが、音も弾き心地も見た目も納得の一本。厳密にどこがとは言えませんが、国産とはサイズからしても発想のコンセプトからしてもまったく違う気がします。自分本人としては贅沢ではない、質素な趣味だと思うのですが。

 3年ほど経って、いい具合で音が成熟してきた感があります。今後どういう風に変化するか楽しみです。

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